サラリーマンが仕事の効率化を図るために知っておくべきことは、”効率化=作業スピードをあげる”ではないということです。
作業スピードを上げるのではなく、”やり直しをなくす”ということに尽きます。
”やり直し”というのは、もっとも時間を使ってしまう作業だからです。
これをいかに減らすかが、効率的に進められる手段となります。
仕事効率化は作業スピードUPよりやり直しをなくす
仕事ができる人というのは、PCのタイピングが速かったり、ショートカットキーを使いこなしたり、動きに無駄のない人のことを想像しがちですよね。
確かに間違ってはいないものの、なぜこれが効率化とイコールにならないのかをここでは回説します。
作業スピードUPの方法は時短術
作業スピードを上げることというのは、目先の効率化にはつながりにくいです。
”3秒かかることを1秒でやる”くらいのものでしょう。
もちろん時短術として、作業スピードを上げることはとても有効な手段かもしれません。
やり直しをなくすことが本当の効率化である理由
”作業スピードを上げる”と聞いて連想することはなんでしょうか。
例えば「ショートカットキーを使う」や「マニュアルを作って標準化する」などといったことが連想されると思います。
これらは時短術であり、作業が終わる時間が3秒から1秒になる程度のことが多いです。
例えば1時間かけて実施したことが、上司に見せて指摘事項をもらい、”やり直し”となった場合には、この1時間が無駄になります。
作業の一工程の時間を短くすることよりも、仕事全体を確実に前に進めることが大切ではないでしょうか。
作業の一工程を時短するよりも、仕事全体を確実に進める(やり直しをなくす)ことが大きな時間を削減する。
仕事効率化のために”やり直し”を減らす方法

やり直しが発生しないなんてことはなかなか難しいです。
それでいてミスややり直しが発生しないために慎重になり過ぎたり、丁寧になりすぎると時間が足りなくなります。
方法①「全体像をつかむ」
やってしまいがちなのが、”とりあえず分かっているものから手を付ける”ということです。
本当は5つのタスク分解ができて、1つのタスクのみが分かっている状態で進めていくと、2つ目、3つ目の次工程で実は無駄なことをしていた・・・なんてことが起こる可能性があります。
”全体像をつかむ”というのは、期間設定においてもとても重要です。
どこで時間がかかるのか、どこに時間をかけるべきなのかということもハッキリとわかってきます。
できるものからやるというのは一見大事に思えますが、次工程で影響が出てしまい、結局やり直すということにつながりかねません。
このやり直し時間こそが、目標達成までの時間を引き延ばしてしまうことを肝に銘じて取り組みましょう。
方法②「時間意識を高く持ち、締め切りを過ぎない計画にする」
サラリーマンにとって、締め切りとは”守ると良いもの”ではなく、”守らなければならないもの”です。
締め切りを過ぎることで与える印象は、”ルーズ”すなわち”ダメレッテル”です。
このダメレッテルを剥がすことにかかる労力は、とても大変でしょう。そうならないためにも、期限を守るということに注力する必要があります。
ここで重要になってくるのが”細かなタスク分解”と”余裕を持った締め切り”です。
まず、”細かなタスク分解”についてですが、ざっくりとしたタスクスケジュールでは、いざその時がきた時に迷いが生じます。
行動単位でタスク分解することで、全体でみた時に達成比率が一目でわかりますし、行動単位で分解してあるので、次に行うタスクが明確です。
次に”余裕を持った締め切り”についてですが、絶対に守らなければならない期限に対して、上司に確認し、コメントを反映する期間を差し引いた期限を自分で設定しましょう。
この期間はなるべく最短で設定したいところです。
期限を設定することで締め切り効果で”無駄なことをせず形にする”からです。
「●時になったら終了」と言われると、なぜかすごく集中できるなんてことありませんか?
締め切りが近くなるほど集中して取り組みますし、無駄なことは一切やらなくなります。
『タスク分解を細かくしてスケジュールの精度を上げ、締め切り効果で無駄なく進める』これだけで効率良く進めることができます。
方法③「仮説を持って取り組む」
目標達成のためのタスク分解をし、ある程度取り掛かってから確認した場合、そこで上司から”指示した事と方向性が違う”と言われてしまっては、それまで実施していたことが無駄になります。
ここで実践したい手順は、以下の通りです。
①最終目標に対して、まず仮説を立てる
②仮説立証のためのタスク分解をする
③タスク一覧を上司に見せて方向性を確認する
④上司からアドバイスをもらう
⑤タスク分解通りに進める
タスク分解時には、まだ取り掛かっていないですから、やり直しというのは必要ありませんよね。
まずは仮説の提案断面で、上司に確認することをおすすめします。
方法④「段階的に報告する」
確認は、タスクの実行に対して細かい抜けがないかどうか、答え合わせをするイメージで行っていきます。
確認頻度が多いほど、一度に確認する事項が少なくなるので、確認時間も少なく済みます。
最終的に確認する際は上司も自分と同じようなイメージが出来上がっているはずなので、あまり見当違いなことにはつながりません。
逆に、タスク終盤になった時にようやく確認することになると、「違う」と言われた時のやり直し量は多くなります。
確認頻度を上げることで、手戻りを少なくし、全体的に仕上がり時間が早くなる。
仕事効率化に必須なスキル「人を頼る」

適度に人を頼ることというのは、仕事を効率よく進めるためには大切なスキルです。
人を頼ることで生まれるメリットと、相手に嫌な思いをさせないために注意すべきことを紹介します。
人を頼ることで自分の時間を最大化する
仕事が早い人は頼るのもうまく、頼るためにもキーマンを見つけることがとても早いはずです。
この人に頼めば、円滑に進むであろうという人が必ずいると思います。そういう人を見つけることが、早く進めるためにも重要なスキルと言えるでしょう。
相手を巻き込んで解決させようとするのことが上手い人は、自分でボールを持つ時間を短くします。
もちろん受け手の業務処理状況にもよりますが、自分でやらなくても済む状況の時はとにかく人に受け渡します。
そして、自分で持っている他のボールを処理していくのです。
人を頼ることで、自分の時間を最大化でき、マルチタスクを行っているかのように複数のタスクがどんどん平行して進んでいく。「自分で進めているタスク+依頼したタスク」という2倍の成果を報告できる形を達成できる。
人を頼るためには、相手の好意が必要
普段から文句ばかり言っていて、誰の頼みでも断る人が、いざ頼りたいと思ったとしても、手伝ってくれる可能性は低いでしょう。
大切なことは、日頃からGIVE側に自分が立つということです。
いつも人の力を受けるばかりでなく、人に力を貸す関係性を作っておくことでスムーズに頼ることができます。
頼るのが上手い人は、相手にやってあげたいと思わせることが上手でしょう。
まとめ
数秒の時短の繰り返しよりも、纏まった時間の削減に徹することで短い時間で高いクオリティの仕事ができるようになります。
やり直しを減らすために、以下のことを実践していきましょう。
【やり直しを減らすために】
・全体像をつかむ
・時間意識を高く持ち、締め切りを過ぎない計画にする
【確認回数を増やす】
・仮説を持って取り組む
・段階的に報告する
【なるべく人を頼る】
・人を頼り、自分の時間を最大化する
・日頃から頼みやすい関係性を構築する